黄斑円孔
黄斑円孔とは
視界の中心部がかけてみえる病気です。網膜の中心部の黄斑に穴(孔)があいてしまう病気です。穴自体はとても小さなものですが、最も視力に関係がある部分にできるため、視力に大きな影響があらわれます。



網膜が硝子体に引っ張られることによって、黄斑に孔があいてしまいます。眼底写真では、黄斑に丸くあいた黄斑円孔の網膜縁が見えています。OCT画像では黄斑の網膜がなくなっているのがわかります。


治療
20年ほど前までは治療不可能とされておりましたが、最近ではほとんど硝子体手術で孔は閉鎖します。硝子体はそれほど重要な役目がある組織ではないので、切除しても視覚に直接的な影響はありません。網膜の最も内側(硝子体に近い側)にあたる内境界膜という薄い膜を剥がします。それにより術後の再発を減らせます。最後に眼球内部にガスや空気を注入し、手術は終わりです。


黄斑円孔閉鎖後、徐々に視力は改善していき、3-6ヶ月程度で落ち着きます。一般的な円孔閉鎖率(治癒率)は90%以上と言われていますが、比較的初期の黄斑円孔の場合ほぼ100%の円孔閉鎖率が得られます。
通常は、ガスや空気を眼内に入れると、うつぶせ姿勢をお願いしていましたが、最近ではうつぶせをしなくてもよい方向に移行しつつあります。孔の大きさや性状によって判断致します。
ただし、円孔が閉鎖しても、一度障害を受けた網膜(神経)は多少後遺症を残すため見え方は完全には戻りませんが、生涯できるだけ良い視力を維持するために、早期の手術をお勧めしています。
手術が、この手術単独だけでしたら15分程度で終わります。